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二十四節気コラム

​このコラムは、山田先生の園芸セラピー講習の講義を基に作成してます。

各節気の特色と『二十四節気ガーデン』の見頃の植物をご紹介。

​山田幸子

グローバルゲート名古屋『二十四節気ガーデン』のデザイン。園芸研究家。千葉大園芸学部卒業。日本ガーデンデザイン専門学校講師。著書『12カ月花づくり庭しごとガーデニングカレンダー』講談社、『わたし流83の花づくり』家の光協会、「二十四節気でわかる園芸作業』主婦の友社、『決定版はじめての花づくり』講談社など。

節気の植物

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白 露

​朝露が白くなり本格的な秋へ
2017 9/7-9/22
 

シュウメイギク(秋明菊)

白露

中国原産 キンポウゲ科の宿根草・開花は9~10月

古くに日本に渡来したのは赤紫色の八重咲きで、花びらはやや細長く20~30枚もあり、菊を思わせる花形と、明るく澄みわたるさわやかな秋を思わせる花の意で「秋明菊」。京都の貴船神社のあたりで野生化した花があったので、貴船菊ともいわれるそうです。

​花びらにみえるのは実は蕚が変化したもの。先端にまず一輪、そして、両脇に一輪づつ、そしてその脇に・・というように、花をさかしていく順番があるようです。

シュウカイドウ(秋海棠)

白露

中国、東南アジア原産。シュウカイドウ科ベコニア属の球根植物。開花は8~10月。

半日陰から日陰の庭でひっそりと秋の訪れを告げるかのように咲き始めます。

​春に咲くカイドウの花に雰囲気が似ていることから、秋のカイドウ、秋海棠と名づけられたそうです。

タマスダレ(玉簾) (レインリリー)

白露

ペルー原産、ヒガンバナ科の球根植物。開花は8月中旬~10月上旬

草丈は10~20cm、細長い棒のような葉を地ぎわから多数だし、直径5cmほどの6弁の白花を上向きに咲かせます。白い美しい花を「玉」に、細長い葉を「すだれ」にたとえてつけられた名で、ずらーっと並んで咲いていると壮観です。英名のレインリリーは、乾燥後に雨が降ると、一斉に咲き始めることからつけられたそうです。

花は三日ほどでしぼんでしまいますが、次々に花茎を伸ばしてさきます。日本へは明治の初めに渡来。とても強健で昔からよく庭に植えられています。

ケローネ(ジャコウソウモドキ、スピードリオン)

白露

北アメリカ原産、ゴマノハクサ科の宿根草。開花期は7~10月でピークは9月。

​キンギョソウに似た不思議な形の花。花持ちがよく切り花にもされます。

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「朝早く草や木に露が下りて、秋の風情が感じられる頃」

日中は、まだ暑さが残っていますが、朝夕は涼しさを感じます。庭の虫たちもにぎやかになります。台風や秋の長雨などのシーズンでもあります。ツバメは子育てを終え、南へ帰っていく頃でもあり、春の華やかさに比べ、秋の訪れはどこか寂しさを感じます。

 

9月9日は五節句の1つ『​​重陽の節句』。キクの花で邪気を払い、長命を願った中国伝来の行事です。本来は旧暦9月9日の行事ですから、今年は10月28日。この頃なら庭のキクも咲きだしますが、新暦の9月9日では庭のキクはまだです。ちょっと季節感がずれてしまうからでしょうか。明治時代までは盛んに行われていましたが、忘れられてしまったかのようです。

キクは古来より薬草として用いられ、寿命を伸ばす力があるとされてきました。平安時代には貴族が宮中行事として採用。当時は、中国から伝来したばかりの珍しいキクを眺めながら宴を催し、キクで厄祓いや長寿祈願をしていました。江戸時代には民間にも広がり、親しまれるようになりました。

​現代もキクの花を飾り、食用菊で香りを愛で、菊の花をモチーフにした和菓子を楽しむ。そんな重陽の節句を楽しみましょう。

白露(ブログ)
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